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頭のいいひとが話す前に考えていること 安達裕哉

コンサルってものをどう考えてるんだろう?ってことを知りたくて読んだ本。

感想

話し方には型がある!という本へのアンチテーゼ。というほどのものでもないが、どんな型にせよそもそもの思考の質が伴っていないと無限にある型を覚えるだけで無駄になるということを言っている。

本書は2部構成になっていて、前半は「頭のいい人が誰かと話す際に何を考えているか?」、後半は「話す相手から信頼を得るにはどう思考すればよいか?」について書かれている。

第1部では以下のような記載があり、

早い思考はいわゆる直感的な思考で、遅い思考は論理的な思考のことを指し、基本的に人間は早い思考が有意にある。

「話す前にちゃんと考える」とは早い思考ではなくどのように遅い思考を使って考えるか?ということである。

似たようなことを岡田斗司夫の「頭の回転が速い人の話し方」の中で、遅い思考を使って相手の言うことを理解することの重要性が書かれている。これは重要なのだろうと実際に仕事では意識的に実践をしていこうと思った。自分はちょっと食い気味に話してしまうので、要注意。

第2部では「考えていること」の質の深め方のテクニックについて書かれている。第1部のことはいつも考えているのに、何かうまくいかないな~と思っている人は、第2部を見て自分に足りないものは何なのか?を補えるような形になっている。

自分は情報の整理があまり得意ではないのがわかっているので、何かを学ぶときはカテゴライズなどは意識的に行っていこうと思う。

総論としては良書。私みたいな40超えたおじさんでも学ぶことはあったので、特に若いビジネスパーソンには読んでもらいたい一冊かなと。
(部下に読ませたい・・・)

あ、ちなみにプライベートな会話にも転用出来そうではあるけど、個人的にはビジネスシーンがメインだと思いますです。

概要

相手から信頼を得る7か条

1.とにかく反応しない

感想のところで言った通り、すぐに相手に反応するのではなく、「これを言ったら相手はどう反応するか?」を一呼吸おいて考えて発言せよ、ということ。冷静に話す、という点においても一呼吸置くことは重要である。

2.頭の良さは他人が決める

「IQ」だけでは相手からの信頼を得ることはできない。相手とのコミュニケーションの能力を測る「EQ」という言葉も出てきており、そちらを意識するほうが妥当である。EQの高さは他人が決めるものだということを念頭に、特に重要なのは日々「相手が何を求めているのか?」を想像しながら生活をするという意識が必要である。

3.人はちゃんと考えてくれてる人を信頼する

「相手が求めていること・相手が求めている反応は何なのか?」を考えること。これに尽きる。

4.人と闘うな、課題と闘え

議論の勝ち負けではなく、本質的な課題が何なのか?を見極めた上でコミュニケーションをとることが重要。

5.伝わらないのは話し方ではなく考えが足りないせい
6.知識は誰かのために使って初めて知性となる
7.承認欲求を満たす側に回れ

これはこの言葉そのままなので割愛

一気に頭のいいひとになる思考の深め方

話が浅くなる理由として、

 ・根拠が薄い
 ・言葉の「意味・定義」をよく考えずに使う
 ・成り立ちを知らない

ということが書かれている。非常~~~~に耳が痛いし、心当たりがありまくる話でございます・・・。

どうすればいいのか?についてはざっくりではあるけど、

 ・知ったかぶりをしない
 ・鵜呑みにしない
 ・背景を理解し正しい知識をつける

といった、当たり前ではあるけど実践では中々難しいことが書かれていました。特にタイパ・タイパと言われている時代では・・・。

「頭がいい」は作れる

↑で当たり前ではあるけど実践ではなかなか難しいと書いたけど、筆者が伝えたいことは「頭がいい」は作れるということではないかと思う。
「勉強が出来る」とは似て非なるものだけど、たぶんそういうこと。

理解力が高い人の中に地頭がいい人もいるけど実はそういう人は一握りで、日々情報を正しく嚙み砕き自分なりの解釈を踏まえて人と接するということが重要なんだと思う。

当たり前で普通だけど、それを継続するのはとても大変だね、というお話。

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